
こちらは標高2568mを誇る「浅間山」。長野県と群馬県の境にある活火山です。北陸新幹線の東京-長野間で運行されている列車の愛称「あさま」の由来もこの浅間山からきています。
雲が無い日はこのように立派な姿を見ることができます。しかしこの日は生憎の曇一つしかない天気です。

ということで今回訪れたのは小諸市です。
長野県の東信地方に位置しており、人口はおよそ4万人。
小諸駅の駅舎を出ると長い上り坂があります。市内には坂が多く、「坂の町」として知られています。
観光地として有名なのは「小諸城址懐古園」。



桜や紅葉がとても綺麗で、毎年懐古園の古き良き景観を彩ってくれます。近くには遊園地や動物園もあります。
また、VTuber「戌亥とこ」さんの楽曲のMVで舞台となっており、聖地巡礼に訪れる観光客も多いんだとか。

ということでやってきたのは、小諸ICの近くにある「飯綱山公園」。

見晴らしの良い高台にあり、北には浅間山、南には蓼科山、東南には佐久平(佐久盆地)を望むことができます。さらには「関東の富士見百景」に選出されているので、空気の澄んだ日には富士山も見えます。

そんな飯綱山公園の中には、「農業で人と人をつなぎ、ふれあいを生み出す」をコンセプトにしたワイナリー、ショップ・レストラン併設の複合施設「STARRACE KOMORO(スタラス小諸)」があります。

本日はここ「Grower’s Kitchen(GK)」でランチタイム!ここはパスタやピザが絶品のイタリアンレストラン。ということで私は「黒毛和牛ハンバーグパスタ」をチョイス。

ハンバーグをほぐして、パスタと絡めていただきます。通常パスタにはトマトなどのソースが絡んでいるものが多いですが、このパスタはソースが少なめ。そのため黒毛和牛の肉の旨味、肉々しさがダイレクトに伝わる一品でした。


さて、ここまで小諸市の紹介とハッピーランチタイムの様子しか書いていませんが・・・ここからがメインディッシュです。今回の取材テーマは「地域プロデュースの仕掛人」。

武藤千春さん
16歳からダンス&ボーカルグループのメンバーとして活動。19歳で独立し、自身のアパレルブランドを立ち上げるなど、東京を拠点にマルチに活動されていました。
そして2019年のこと。武藤さんの祖母が「小諸で暮らしたい」と話し始めたことをきっかけに、小諸市と東京都での二拠点生活をスタート。小諸市がメインとなっており、小諸での暮らしについて武藤さんは「田舎すぎないし、東京までも近いので良いですよ」と話します。
小諸に拠点を構え、生活の中に「農」を取り入れた「農ライフ」を始めた武藤さん。季節によって異なる野菜の「旬」や、野菜の「でき方」を知り、できた時の感動で「農」にハマったそう。
ECサイトを用いて、自ら畑で育てた野菜を販売するだけでなく、廃棄される予定だった1万個の野菜も全て販売・発送まで行いました。2021年には農ライフブランド「ASAMAYA」を立ち上げ、県内で出会った面白い農家さんたちの野菜や果物などを販売。そして2022年には「小諸市農ライフアンバサダー」に就任。「農の魅力」を発信し続けています。「農」とともに生きる、まさに「No 農, No Life」といったところでしょうか(?)
武藤さんの活動は「農」の他にも、防災士やドローンの資格を取得されたり、InstagramなどのSNSを用いて情報発信もされています。
昨今情報発信をする上でSNSは必要不可欠となっています。武藤さんはSNSを活用した情報発信について、投稿を統一させることはもちろんのこと、「自分が体験したことを自分の言葉で伝える」ことは大切だと話します。「こういう問題があるから皆さんもこうしましょう」と押し付けず、「私はこう思います」と自分の言葉で伝えること。私は様々な事柄などについて自分で考えることが大事だと思っているので、このお話には共感していました。
武藤さんは普段イベントMCやナレーション、ラジオのお仕事をされています。最近佐久長聖高校にアイドルの育成をする学科が設立されましたが、武藤さんは特別講師として生徒に喋りのスキルや食レポのコツなどを教えているそう。
「美味しいって言わないで、もっとあるでしょ?」
ということで私も先ほど「美味しい」と言わずに食レポしてみました。数十分も考えてできた文章なので、食べて数秒で上手に食レポできる人はやっぱりすごいんですね。

農業は必ず裏側に「人」という存在があります。
野菜や果物をつくる人、できあがったものを運ぶ人、そして届いた野菜を食べる人。
これは農業に限らず、漁業、酪農畜産、さらには物流、正確なダイヤを誇る公共交通機関でも同じことが言えます。普段当たり前のように食べたり使ったりしていましたが、私は時々このことを思い出しては感慨深い気持ちになります。日本の生活を支えていただいている皆様には、本当に頭が下がります。


ということで今回は、小諸で暮らす武藤千春さんの活動などについてまとめていきました。武藤さんの多岐に渡る活動には、長野プロデュース科の学生として目を見張るものがありました。また、様々なブランドに対するプロデュース力も非常に参考になりました。武藤さん、本日はありがとうございました!


最後に余談。この日は東御市にある「海野宿(うんのじゅく)」にも訪れました。ここは私も一度行ったことがあります。その当時は曇っていましたが、今回も曇りです。課外授業ではなかなか良いお天気に恵まれません。


海野宿は江戸時代から北国街道の宿場町として開設されました。この北国街道は中山道と北陸道を結ぶ重要な街道で、佐渡金山で採れた金の輸送、北陸の諸大名の参勤交代、さらには江戸との交通も頻繁だったので、善光寺への参詣客も多くあったそう。
現在は当時使用された歴史的な建物がこのように残っています。江戸時代にタイムスリップしたかのような、そんな時間がここには流れていました。

ということでこの記事はここまで。また次回の記事でお会いしましょう。ありがとうございました!