今回は、「場を活かしたプロデュース」というテーマのもと、スタジオサヤップさんが運営している2つの飲食店へ取材に行きました!

スタジオサヤップさんは、「ねこぽぽテラス」などの飲食業建築業(古民家の改装)、旅館の運営など幅広い事業を展開されています。なので、何屋さんというわけではありませんが、一つ言えるのは「物語や映画の世界観を現実世界に作り込むこと」がスタジオサヤップさんのお仕事です。

長野駅の近くにあるビルの5F「猫町迎賓館」。スタジオサヤップさんは主に古民家をテーマに改装を行っていますが、ここは至って普通のビル。ここで一から異空間を作り出すことに挑戦されたそうです。店内の雰囲気は中性のヨーロッパ。古材や古道具が思う存分使われています。

豪快なステーキと、長野市若穂産の小麦粉を使用したピザが売り。この日はピザをいただきました。美味しかったな。

このビルの地下にある創作和食のお店「金花猫(きんかびょう)」もスタジオサヤップさんが運営。1日限定10名のみの完全予約制。お値段はおよそ数万円。店内の雰囲気からもその高級感が伝わりますね。

ちなみに、割れたお皿は捨てずに、破片をヤスリで削って箸置きにするなど、SDGsにも配慮した取り組みをされているそうです。これはすごく良いアイデアだなと思いました。

スタジオサヤップ代表 北澤さん

「20代はとにかく必死で。」

そう話すのは、スタジオサヤップ代表の北澤さん。高校卒業後、インドネシアのよく分からない大学への留学から彼のクリエイター人生がスタート。長野県の情報誌を出版しているKomachiに勤めた後、30代で独立。スタジオサヤップを設立しました。

「20代必死で生きていれば、30代でどうにかなる。10代で生まれた格差は20代で取り戻せる。それが自分の後悔。自分は20代で遊んでいたから、30代になって苦労した。」

10、20代では、積極的にグイグイ行くことが大事だということを教えて下さいました。自分も積極的になれるように頑張らなければ。

(お話を聞いた後の会話)
北澤さん「トミーの後輩的にはさぁ」
僕「トミー・・・?」
お話の中で度々登場した「トミー」とは一体何者なのか・・・?

長野電鉄村山駅(須坂市)の近くにある「猫まち駅舎」。こちらもスタジオサヤップさんが運営している飲食店。昔は魚屋さんだった和風の古民家を、ヨーロッパの古民家に改装。急な階段を下ると、細部まで作り込まれた世界観が広がっています。

この空間づくりについて北澤さんは、電球が切れていたり、関係ないものが置いていたりすることが絶対に無いように、「お客様に楽しんでいただくこと」を最優先に考えているそう。ちなみに最近はスタッフもその世界観に合ったようにしようという話が出ているらしいです。北澤さんのお客様に対する強い気持ちが感じられますね。

そして、この猫まち駅舎に長野プロデュース科の卒業生が働いています。

長野プロデュース科卒業生 冨澤さん(写真右)

NP卒業生の冨澤さん。この方が先ほどのトミーです。

冨澤さんは、しんきんのポスターデザインコンテストで渦を巻いたようなデザインの作品を応募し、入賞。また、ビジュアルコンペでは審査員賞を受賞するなど、デザインの実力を持っています。

担任K先生曰く、冨澤さんはプレゼンも上手かったらしく、緊張していない、抑揚のついた喋り方だったとのこと。
プレゼンで意識されていたことについて、
まず「序盤に『つかみ』を入れること」。
冨澤さんのプレゼンは、序盤に「ウソ」をついておき、そのウソが伏線として後々回収される、というスタイル。「つかみ」を入れることで多くの人に話を聞いてもらうことができるそう。
そしてスライドは、「サボってるのか?」と思われるくらいに文字数を少なくする。これで相手が文字を読むことに気を取られず、話を聞くことに集中できます(これは自分も前から意識しています)。

また、担任K先生曰く、残しておきたいくらいにブログが面白かったそう。文章力も大事だということも教えて下さいました。

僕「ためになった授業と大変だった授業について教えてください。」
冨澤さん「ためになったのは企業と一緒に取り組む授業と、フォーラムです。自分ができないことができる人の話を聞くのが好きです。なのでフォーラムでは企業の方の思考の部分を盗むことができて、ためになりました。大変だったのはグループワークの授業です。割と喋る人なので周りを回す側になってしまい、思考する側になれなくて大変でした。」

フォーラムって本当に貴重な時間なんですよね。でも思考を盗むという考えは無かったので次から意識したいなと思いました。

今回はスタジオサヤップさんが運営している飲食店の取り組みについてまとめました。空き家が増えている今、古民家をリノベーションする取り組みはたくさんありますが、映画のような一コマの世界観を作って、「お客様に楽しんでいただくこと」を一番に徹底しているスタジオサヤップさんの取り組みは非常に参考になりました。

北澤さんと冨澤さん、本日はありがとうございました!