紙にまつわる取材。その2

紙もの作家のAkane BonBonこと梅川茜さんのご自宅 兼 工房をお訪ねしました。あかねさんはカルトナージュという技法をもとにした紙箱を作り、箱に貼る和紙の彩色や型染めも手がけます。

紙製なのでとても軽い。そしてとても丈夫

カルトナージュとは、厚紙を素材にした紙加工品のことですが、日本では紙箱のイメージが浸透しています。

完成した紙箱は精緻ながらも、ほんの少しいびつで、そこがたまらぬ味わいとなっています。

あかねさんは中学生の頃すでに「フランスへ行って箱を作りたい」と心に決めていました。そして高校を卒業すると迷わず留学し、南フランスでカルトナージュの技を学びます。

帰国後、2003年から故郷の松本市で活動を開始。しかし、すぐには食べていけるわけもなく、ひとまずお給料をもらえる仕事をさがすことに。

「せっかくなら紙に関わる仕事がしたいと思って、松本で紙といえば大徳紙商事さんだろうと。履歴書を送っても相手にされないと思い、作文も携えて持参しました。結局のところ『社員採用の募集を出しているから、普通に応募してごらん』と言われましたけど」

あかねさんは笑って当時を振り返ります。しかしその熱意は、採用への決め手となったはずです。

しばらくは作家と勤め人の二足のわらじを履きますが、やがて作家活動に割く時間が少なくなり、フリーのデザイナーも兼業して独立します。

「作家としては自分の作りたいものを作りますが、デザイナーはクライアントありき。お客さまの要望に応えるのが仕事です」
作家活動とデザイナー業はきっちり分けているのだと、あかねさんは言います。

「手の届く範囲で、暮らしに必要なものを作っています。木工作家の父を見て、そういうことが仕事だと、小さい頃から思い込んできましたから」
手作りあふれるあかねさんのご自宅 兼 工房は、作品同様あたたかな温もりを宿していました。

依頼された結婚式の案内状のため、手描き文字を練習中
手作りならではのいびつさと、本体とフタがピタリと合う精緻さが同居している
1年生の吉田くんと廣石さんと、茜さんをはさんで記念撮影

(取材・文・写真/NP)

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