上田取材 spin off:NP、タイ料理を食べる

今日のランチは、パン屋にするか定食屋にするかタイ料理にするか…。

選択肢が3つと多いなか、ほぼ先生の独断で選ばれたのはタイ料理屋さん。NP史上初となるエスニック料理に挑戦だ。しかもタイ人の方が営む、かなり本格派の店だ。

日本語が片言すぎてわらりづらいメニューを、写真とイラストを頼りになんとか解読し、全員別々の料理を頼むことに。みんなからひと口ずつもらおうかなとワクワクしていたのも束の間。タイ料理特有のあの香り、そう、ナンプラーの香りが漂ってきた。今、思えば、嫌な予感はこの時すでに的中していた。

かずき君のカオマンガイ、先生のレッドカレー、みおりちゃんのガパオライス、次々と料理が運ばれ「わ~、美味しそ~!」なんて言いながら最後の私の料理を待っていた。そして、ついにやってきた私の初タイ料理、パッタイ!

1番最初に思ったことは「量が多すぎやしないか…?」だ。これは冗談ではなく、かなり本気のレベルだ。

初タイ料理ということで、どんな料理かメニューをきちんと読み込んだうえで頼んだつもりだ。例の片言の日本語から得た情報によると「タイ風焼そば」と書かれていたので「まあ、日本でいう焼そばみたいなものだろう」と思い、私は麺を勢いよく吸う気満々でいたのだ。しかし、運ばれてきた瞬間にわかったのは「この麺は吸えない」ということだ。

幅広の米麺はグニャグニャで、それをさらに卵でとじてある。もう麺というか、麺の塊と言った方が正しいのかもしれない。それでも私は「まだ麺が吸える」と信じていた。いや「信じたかった」という方が本音だろう。

さまざまな葛藤を抱きつつ、なんとか麺を、いや麺の塊を口に運ぼうと箸をあげると、ベタベタした麺の表面にナッツがこびりついている。「無理だ」と悟った。

今までに食に対して1度も感じたことのない感情だった。私は出されれば、まずかろうがとりあえす食べる主義なのだが「私にはこれを飲み込めない、いや、もっと言うなら噛めない」。そう強く思った。

しかし他の3人は食べた感想を言っている。みんなが私の感想を待っている。ここで「口に入れたくありません」なんて言った日には、変な空気になるのは間違いない。なんとかひと口を食べてひねり出した感想は「エビ感がすごくて、具だくさんって感じかな!」

言ってることは間違ってはいない、事実だ。私はパッタイが食べられないと言うことを見事に隠せていたらしく(多分)、変な空気にはならずにすんだ。

が、問題はこの量だ。量がもっと少なければ、もしかしたら、このままなんとかなったかもしれない。しかし、この凄まじい量となると、それだけで食欲がなくなってしまう。食べるのが好きな私の箸のスピードがいつもより遅いことに気づいた先生がひと言「あおいちゃん大丈夫?」

あぁ、ついにバレたか。「そうなんですよ~!」と言おうとした瞬間、「そのパッタイ、量多いもんね」と先生。「ちがうんですよ! 私が手こずっている理由は量ではなく、パッタイそのものなんですよ!」なんて言えるわけもなく、「そうなんですよ~…」と、またチマチマ食べ始めたら、とうとう、みおりちゃんにまで心配されてしまった。

我慢の限界だった。「実は、言っちゃうとね、もうひと口目から私、パッタイが無理だったみたい」。私の突然のカミングアウトは、変な空気になることもなく笑いに変わった。NPはみんないい人だな~としみじみ思いながら、みおりちゃんにガパオライスを恵んでもらい、私の初タイ料理は幕を閉じた。


みおりちゃんのガパオライス。 かずき君のカオマンガイ。
そして私のパッタイ。

(写真・文/丸山亜緒衣)

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