温泉取材 インタビュー:株式会社日本レクシー
代表取締役社長 熊原勝さん

 

平成30年4月23日 私たち岡学園トータルデザインアカデミー長野プロデュース科は株式会社日本レクシーが経営する日帰り温泉施設「コトリの湯」と「十福の湯」を訪れ、代表取締役社長の熊原勝さんにお話を伺ってきました。

日本レクシー代表取締役社長 熊原勝さん

 

熊原さんは幼い頃から不動産会社の経営に興味があり、日本レクシーという会社自体は学生時代に設立したそうです。

不動産といってもマンション経営などには興味がなく、まちづくりをしたかったと仰っていました。

大学を卒業した後、企業に就職しましたがしばらくしてから地元に戻ってきました。

その際、生まれ故郷である松代町と真田町との境にある地蔵峠を別荘地にしたいという相談を受け「こんな山奥でうまくいくだろうか」と悩んでいたところ、周辺をよく知るおばあちゃんが「ここは冬でも地熱で雪が溶けるから掘れば温泉が出る」と言っていたことを思い出したそうです。

思い切って掘ってみると本当に沸き出てきたので温泉つきの別荘地として整え、さらに、湯量が豊富だったため日帰りの温泉施設を建てることに。

熊原さんはもともと温泉はあまり好きではなかったそうで、温泉施設の現状を知るために日本各地200ヶ所ほどの温泉施設を巡ったところ、

・露天風呂が狭く、壁で覆われていて開放感を感じられない。
・料理があまり美味しくない。
・お客様の回転ばかりを気にしていて、おもてなしがあまり良くない。

という問題に気がつきました。

これらのことは当時の業界では普通のことだと言われたそうです。

熊原さんは「温泉があまり好きではないからこそ、お客様の立場から物事を判断できたと思います。業界の常識はお客様の非常識ということもありますから」と仰っていました。その言葉がとても印象に残っています。

自ら感じたことを踏まえて、お客様にはとにかく長く滞在してほしい、そのために料理は「地産地消」をコンセプトに地域の食材にこだわった美味しいものを提供したい、お客様の声を取り入れて居心地の良い施設にしたいと考えたそうです。

実際、いま日本レクシーが経営している温泉施設では地元の小麦粉を使ったパンや地元の食材を使った料理を提供していたり、お客様の意見から、会員になるとお誕生月に工夫を凝らしたデザインの無料入浴券付きオリジナルDMを送っています。

地元の小麦粉を使ったパン
地元のお米と地鶏の卵を使ったオムライス
オリジナルDM

また、従業員もやりがいを感じられるように正社員・アルバイト関係なく本気でやりたいことを実現できる社風にしたいと考えました。あるアルバイトの女性が「カフェをやりたい」と熊原さんに頼み込んだことが発端に始まったカフェスペースなど、スタッフ発案のイベントや商品も数多く存在しています。自主性を磨くことでスタッフ一人一人が考えるようになり、おもてなしの質も上がるのだと感じました。

カフェスペース

スタッフたちの本気に自らも本気で応えられることは熊原社長の凄みだと思います。

新しい取り組みも最初は反対されたこともあったそうですが、「新しいことを始めるのに反対意見はつきもので、むしろ当時反対されたことの多くが成功している」と笑顔で語っていました。

 

コトリの湯

コトリの湯は「温泉っぽくない温泉」と支配人の佐野さんや熊原さんがおっしゃっていた通り、若い年齢層をターゲットにしていて“温泉施設はおじいちゃんおばあちゃんがたくさん”という思い込みが変わりました。

コトリの湯支配人 佐野啓太さん

写真映えするかわいらしい雰囲気、本や漫画は読み放題で、さらにコーヒーは飲み放題、休憩スペースは個室のようになっているところもあり、一日中くつろいでいたくなるような空間で、「ここに住みたい!」と思うくらい居心地がよかったです。

内風呂・露天風呂・展望風呂はどれもとても広くて開放感があり、鳥のさえずりも聞こえるのでとっても癒されるなぁと感じました。また、広告費は一切使わずインスタグラムやTwitterでの拡散のみ、という時代に合わせた宣伝方法にも感心しました。

露天風呂

 

 

十福の湯

十福の湯は、入り口で十匹のふくろうがお出迎えしてくれます。木のぬくもりを感じる建物に古風な雰囲気とお洒落な雰囲気が漂う心地よい空間でした。

お昼ご飯に食べた親子丼は、長野県産地鶏のとろとろの卵とやわらかい鶏肉が長野県産のお米との相性抜群でとても美味しかったです。温泉施設では珍しい、宴会などができる和室や仮眠室、床屋があることも魅力的です。

地鶏の親子丼
信州味噌ラーメンと地鶏の出汁巻き卵

温泉にも入らせていただきましたが、とても広い露天風呂と、どこかほっとする数人で入れるスペースもあって、木々に囲まれながら久しぶりにまったりとした時間を過ごせました。

お風呂あがりには名物のジェラートを丸山珈琲とコラボしたコーヒー味とイチゴミルク味の2種類いただきました。どちらも甘すぎないのにとっても濃厚で、ボリューム感もあったので幸せな気持ちになりました。またここに来たら絶対にジェラートを食べます!

コトリの湯も十福の湯も、熊原さんの目指していた露天風呂の開放感や地元の食材・味・見た目のすべてにこだわった料理、丁寧なおもてなしなどが実現されていて「また来たい」「誰かに紹介したい」、そう思える素敵な温泉施設でした。

(取材・文/廣石澪里 写真/NP)

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