佐久取材その1
かつては名馬を、今は有機野菜を育む地
(佐久市望月)

◇旧望月町のなりたち

鹿曲(かくま)川と布施川と千曲川に囲まれた御牧原台地には、奈良時代から平安時代、朝廷に馬を献上する「御牧(みまき)」がありました。

旧暦8月15日の満月の日に献上される馬は「望月の駒」と呼ばれ、やがて馬の名産地である御牧原の地を「望月」と呼ぶようになりました。望月は満月の、駒は馬の異称です。

「逢坂の 関の清水に影見えて いまや引くらん 望月の駒」

紀貫之の詠んだ歌のとおり、信州から運ばれた馬は、逢坂の関で朝廷に引き渡されていました。江戸時代には中山道の宿場町「望月宿」として発展し、周辺では稲作、薬用人参などの畑作、林業が行われ、酒蔵もありました。

望月町はかつて北佐久郡にありましたが、2005年に市町村合併により佐久市の一部となりました。

◇現在の望月

地元産食材を逸品へと仕上げる職人的な料理人である北沢正和さんが営む、そばと創作料理の店「職人館」。この店は農家レストランの草分けであり、この地の有機農業の牽引役でもあります。

ほかにも望月には「YUSHI CAFÉ 」「レストランさんざ」「ボスケソ」といった個性的かつ魅力的な店があります。また「ゆい自然農園」をはじめ、有機農業に取り組む農家が多数あり、望月を含む佐久市一帯は長野県における有機農業の先進地といえます。

一方で、旧望月町は人口減少が進む過疎地域に指定されています。

(取材・文/NP  写真/長野プロデュース科1年 丸山亜緒衣)

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